こういうことに満足してた頃もあった

ハイキューを読んで、昔語りしたくなったので書く。
タダの自慢話ね。

高校の時のクラスマッチの話。

 

年に2回行われるクラスマッチでは、常にバレーボールでセッターをやっていた。

というより、任せてもらっていた、という方が正しい。

中学校でバレー部主将、しかも県中体連で3位をとったというヤツが同じクラスに居て、体育の時間にトスを仕込まれたのだ。

「とにかく高く上げればよいから」と、体育の時間、ひたすらに練習した。
自分の身長の3倍くらい高く上げる気持ちでやってた。


そうして天高く上げた僕のトスが、彼の高身長×ジャンプ力が成す誰も届かないような高さからの一撃を生み、チームにポイントをもたらしていく。
この爽快感といったら他じゃ味わえない。ゲームの何倍も濃ゆい。
僕の上げたトスを、アイツが敵陣にぶち込む。最高だよ。

こうして高校の間は敵なしだと思ってたんだけど
やっぱりほかのクラスにもバレー経験者が居るわけで。

高3冬、高校生活最後のクラスマッチの決勝、ついにそのクラスとぶつかった。
クラスマッチではローテーション無しのルールだったから、僕は常に前陣中央に居ることができた。
しかし、向こうの前陣中央には、そのバレー経験者Tくん。
手ごわい。今まで3年間で一番強い相手。

第1セット、序盤でバックトスを決めた。
まさにハイキューのワンシーンのように、思いっきり背中をそらして、両手を思い切り伸ばし切って。でも視線の先はずっと目標打点で。
それが、偶然にもドンピシャのところに落ちてきて、ヤツが一発。

 

相手も黙ってるわけじゃない。互いに20点くらいとったあたりで、Tくんが渾身の一撃を打ってきた。
正直めちゃくちゃ怖い。でも、前陣の僕がブロックに飛ぶしかない。
それで、結果としてたまたまだけど、僕1枚ではじき返すことができた。
この時のドヤ顔と言ったらね。もう試合終了で良いというくらい喜んだ。
それから、Tくんは僕のブロックを避けるような山なりのボールしか打ってこなくなって。
クラスで運動神経良いやつらを集めた後陣がそれを返せないはずがなくてね。
で、良いレシーブ。僕の高いトス。ヤツが上から下にズドン。
ヤツにブロックが集まって来れば、逆ウイングの背の高いバスケ部に預ける。
こうしてセッターとしての役割を素人なりに果たしてた。

勝った。いやー、最高に楽しかった。

あのクラスマッチは、生徒会として裏方でも(名簿入力から)準備したし、表方としてもこうして活躍できたし、これに満足しないと言ったら何に満足するんだ、といった感じだった。
当時付き合ってた彼女が見向きもしてくれなかったのは残念だったけど。


今は、正直枯れちゃったのか、「世界を知って」しまったのか、この頃みたいに、仲間とああいう風にがむしゃらに頑張ることが出来なくなってきたと思う。
満足の閾値が高くなりすぎて、そこに届くまでのモチベーション(ジャンプ力)がもたない。チェックポイントが遠すぎる。